当院は昭和21年に私の父にあたります故 河野正により創立されました。河野正は福岡市に生まれ現在の久留米大学医学部を卒業したのち、久留米大学精神科初代教授である故王丸勇先生のご指導により精神科医として臨床の道を歩みだしました。その後、九州大学解剖学教室 専門部助教授、軍医と経験したのち、縁あって母(私の祖母)の故郷である糟屋郡篠栗町で開院したことから河野病院グループの歴史が始まりました。昭和26年には法人化し、医療法人済世会となりました。「済世会」という名称には、患者さんご本人のみならず、ご家族や支援に当たる行政機関の方々など全ての方々、即ち「世の全ての人を救済する会であれ」という意味を込めたと聞いております。約80年にわたり、地域の皆様に支えていただいていることに改めて感謝申し上げます。
私は九州大学神経精神医学教室(現在の精神病態医学教室)にて田代信維教授(6代目教授)のもとで精神医学を学び、大学院修了後の平成10年に河野病院長に就任しました。平成13年に九州大学より医学博士を授与されたのち、平成17年に初代理事長の退任を受け、理事長に就任しました。以来、既存の施設で最善の治療を提供することを目指し、今日まで病院運営に取り組んでまいりました。
中でも「にじいろプロジェクト」は、精神症状が悪化した時期を雨降りに例え、退院後の社会復帰を、患者さんが雨上がりの空にかかる虹を見た時に、明るく清々しい気持ちで迎えられるような病院づくりを目指したいという思いを込めて立ち上げました。(別掲 「にじいろプロジェクト」をご覧ください)本プロジェクトのもと、職員一同は患者さんとそのご家族に「受診して良かった」と感じていただけるよう、日々努めております。(「医療法人済世会 にじいろプロジェクト」は令和5年1月に商標登録されました)
100人に1人の割合で発症すると言われる統合失調症、「こころの風邪」と例えられることがあるうつ病、不眠症やアルコールに関連する問題、さらには認知症など、精神科で取り扱う病は実は私たちの身近にも多く潜んでいます。また、昨今では適応障害やギャンブル依存症などの精神疾患も多くの場面で耳にするようになりました。しかし、これらの問題が実際に自分や家族、友人など身近で起こってしまうと、どのように対応すべきか迷ってしまう方が多いのが現状ではないでしょうか。
河野病院グループでは、こうした悩みを抱える方々に問題解決の窓口として気軽にご相談いただけるよう、令和6年度より相談窓口を通話料無料のフリーダイヤルに一本化しました。新しい番号は「0120-33-2416」です。症状が緩解し、雨上がりの虹を見た後は、燦燦と輝く太陽の下に出ていただきたいという思いを込めて、「0120-33-2416(さんさんにじいろ)」と覚えていただければ幸いです。この窓口を通じて、相談者さまが迅速かつ適切に医療をご提供できるよう、専門の職員が責任をもって受診まで繋げます。
当院の職員は、初めて精神科を訪れる方々の視点を忘れず、常に患者さんの立場に立ったサポートを心掛けています。精神神経疾患に関する治療や相談を受け付けておりますが、万が一、当院の施設では対応が難しい疾患や状態の場合には、その方の治療に最適な医療機関や専門医をご紹介いたします。病院の近くにお住まいの方もそうでない方も、一人で悩まず、少しでも心のサインを感じたら、私たちにご相談ください。
最後になりますが、河野病院(糟屋郡篠栗町)は施設の老朽化をはじめとする諸事情により令和7年1月31日をもって閉院いたしました。長年にわたり、多大なるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
今後は河野名島病院(福岡市東区)および河野粕屋病院(糟屋郡宇美町)の2つの病院を中心に、治療環境の整備をさらに進め、患者さんに「河野病院グループを受診して良かった」と感じていただける医療の提供に尽力してまいります。
引き続き、医療法人済世会「にじいろプロジェクト」にご賛同いただき、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
東京都生まれ。愛知医科大学医学部医学科卒業。九州大学医学部付属病院精神科神経科勤務。平成6年に九州大学大学院医学研究科内科系専攻に進学、平成10年3月に単位取得退学。平成10年4月より医療法人済世会河野病院院長に就任。平成13年、九州大学より医学博士を授与される。平成17年7月に医療法人済世会理事長に就任。平成24年から衆議院議員を2期約5年務める。令和3年福岡県地域精神保健協議会長表彰。
『これだけは知っておきたいこころの医療:精神医療の現場を志す人たちの必携バイブル』みずほ出版新社(2010年)
『これだけは知っておきたいこころのケア』みずほ出版新社(2015年)
『原発フェードアウトへのロードマップ』文藝春秋企画出版部(2016年)
愛知医科大学客員教授
九州精神科病院協会監事
一般社団法人福岡県精神科病院協会顧問
公益社団法人福岡県病院協会顧問
臨床研修指導医
日本精神神経学会専門医・指導医
日本老年精神医学会専門医・指導医
日本精神科医学会認定精神科医療安全士
第一回ギャンブル障害の標準的治療プログラム研修 修了
精神科薬物に関する研修会 修了
日本心身医学会
日本うつ病学会
日本総合病院精神医学会 ほか
日本病院会顧問
日本医療法人協会顧問
日本精神科病院協会代議員
一般社団法人福岡県精神科病院協会副会長、福岡ブロック長
公益社団法人福岡県病院協会理事
福岡県嘱託医(粕屋保健所精神保健相談担当など)
福岡市嘱託医
福岡県医師会医療安全対策委員会委員
独立行政法人国立病院機構福岡東医療センター附属看護学校非常勤講師
福岡県立魁誠高等学校精神科校医
福岡市保健福祉審議会委員
福岡県地域精神保健福岡ブロック協議会副会長
福岡県精神保健福祉協会常任理事兼評議員
福岡県地域精神保健協議会常任幹事 ほか
『明日の高齢医療を拓く信頼のドクター 2022年版』ぎょうけい新聞社(2022年)
財界「時代をリードする医療法人(九州発)」(2021年・2012年)
財界九州「九州・沖縄を担うトップ群像」
(No.1179・No.1167・ No.1155・No.1144・No.1133・No.1132)
財界九州「治す”医力”頼れる病院」(No.1150・No.1047・No.1039)
ふくおか経済「Watch オープン・リニューアル」(vol.400)
「The Face~福岡をリードする企業群~」(vol.375・ vol.290、279・ vol.258・vol.254)
ふくおか経済EX「元気都市にこの企業あり!ふくおかの底力」(2012年・2011年)
シティ情報ふくおか(2012年11月号・2011年1月号)
シティ情報ふくおか別冊 ひまわり第三号(2012年)
婦人公論(No.1301号(2010年7月・No.1281号(2009年9月)
西日本新聞(2012年9月13日 日刊・2009年10月23日 朝刊)
読売新聞 福岡山口地区 (2008年11月4日夕刊)
週間サンデー毎日 2009年4月12日増大号
リクナビネクスト(掲載期間 2009年1月28日~2月2日) ほか
平成20年3月まで福岡赤十字病院に勤めておりましたが、平成21年1月より河野病院長に就任いたしました。
医療界も他の一般社会と同じく、いま真冬の時期を迎えており医療崩壊、病院崩壊とまで云われる状況下にあります。
そのような環境の中で、健全な経営を行いながら良質で安全な医療を提供するためには、職員一同日夜研鑽に励み、知恵をしぼり、努力、工夫をし、チームワークよく協力し合っていくことが必要だと思っております。
その結果として、患者さん方が現在以上に“受診しやすく、満足してお帰りいただける病院”を目指して行き、診療圏での役割が果たせていければと考えております。
昭和38年九州大学医学部卒業後 第一外科教室へ入局。
九州大学医学部臨床教授、全国公私病院連盟顧問、社団法人日本病院会 副会長を歴任。
現在も福岡県病院協会顧問、福岡県病院協会会長、福岡赤十字病院名誉院長を務める。
平成21年1月より河野病院長に就任し、同院閉院に伴い令和7年2月より医療法人済世会相談役に就任。